鳥とハーモニカ

はなぶさ堂の日々の事。

鳥と盆栽思考 / 急いだ葉っぱ と 遅れたお花

冬の間は鉢植えの植物達は葉を落としていて、静かにしているように思いますが、
雪をかぶったり、寒さに当てられたり色々な表情をみせてくれました。
だけど一番寒い2月くらいが本当は植物達が活発な時だと思うんです。
春は未だかと毎朝小さな葉芽が「パキパキ」と音を立てている様な、
そんな気にさえなってしまいます。

未だ、春に向けて準備中の「コナラ」の植木の根元では、
苔生したところからヒヨヒヨ伸び上がった、
小さなカイワレ大根の様なものが顔を出してきましたよ。

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これ、何だか美味しそうだけど食べられないのかなぁ…。
私が鳥なら試食したい所ですっ。

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そのカイワレもどきのお隣で「枸杞(クコ)」はパキパキ葉芽を拓かせ居ます。
毎年貧弱なまま成長が乏しかった「枸杞」ですが、
今年は気候も手伝っているのか、葉っぱがどんどん開いてきています。

他の植物を差し置いて春に一番乗りです。

「枸杞(クコ)」と言えば、
食材としての「クコの実」を想像しがちですが、
薄紫の花が咲いた後にその赤色の小さな実をつけます。
クコの赤い実は杏仁豆腐の上などでよく見かけますが、
滋養強壮・老化防止等々、色々効果があるようです。
小さな植木ながら、今年は実まで収穫できると良いのですが…。

そして、遅れた冬のお花。
昨年の秋頃に母と一緒に買った「椿」の苗。
(↓下は秋ごろの写真です)

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鹿沼土と赤玉・桐生砂などを混ぜて土を造り、
土の表面は鹿沼土の粒でお化粧しました。
つぼみがたくさん付いていたので、直ぐに咲くだろうと踏んでいたのですが、
そのまま2月も通り越し、ついに3月、やっと花が咲きました。
冬のベランダが寂しくならないようにと思って連れ帰ったのに、
もう直ぐ春と言うこのタイミングで開花、それでもやっぱり開花は嬉しいものです。
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品種は「出雲大社のヤブ椿」という一重の綺麗な小ぶりで真っ赤な椿です。
お寺好きの私としては「出雲大社」なんて能書きを書かれると、
他の二重咲きやマーブル色の椿などそっちのけとなってしまうのです…。

椿と言えば、メジロヒヨドリがその蜜を吸いにくる事を期待します、
ヒヨドリは花ごと喰らいますが…。)
最近はベランダをスズメたちに占領されているので、
他の鳥たちに入る余地があるものやら…。

「花と呼ばれる植物は、鳥や虫達を呼ぶために綺麗に咲いて、
子孫を繁栄させる術を長い歴史を経て獲得してきた」と、
最近読んだ本に書いてありました。
決して人間だけを喜ばすためだけに綺麗に咲くのではないと思いますが、
他の生物(人間も含めて)とも協力して活き、成長してきている訳です。

まぁ、そんな植物達を鉢に閉じ込めて育てている人間(私)ではありますが、
自然の環の中に身を置く様な気持ちで、
動植物たちと共に時間を育んで行きたいものです。

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急いで春に向かう「
枸杞(クコ)」と遅刻気味の「椿」と、
寒さに打たれて未だ朝がこたえる「はなぶさ堂」の日常であります…。