鳥居と油揚げ ~川越の狐はいたずらが過ぎる~の巻き
9月の初めの話ですが、川越の「狐」に会いに行ってきました。
小江戸とも言われる川越界隈、ノスタルジックな町並み、古いものを大切にした、素敵な町です。
午前中に仕事を済ませ、時の鐘に着いたのは丁度15時
「ごーん」と鐘の音が響いて、散策のスタートでした。
時の鐘はゼンマイ仕掛けのように、人が居なくても突き棒が鐘を叩いておりました。
さてさて、私の目当ては「狐」お稲荷さんを探して、観光マップを見てみると、
先ずは時の鐘の真下に「出世稲荷」さんが、とても小さな祠でしたが、
人が沢山集まるところですから、
狛狐もシメナワのスカーフでおめかししてもらっていました。
先ずは今回も色んな狐にあえるようにお参りをして、狛狐の頭もしかっり撫でて…。
お次は「時に鐘」から一本裏手の小道へ、
その道は非常に狭い路地でしたが「稲荷小路」という名前が付いていたので、
ワクワクしながら入っていくと…。
「稲荷の井戸」と呼ばれる小さな湧き水の脇にこれまた小さなお稲荷さん。
「本宗稲荷神社」小路に沿って置かれた祠で狛狐こそ居ませんでしたが、
鳥居の真横にご神木もあって、小さいながらもご利益がありそうな印象でした。
ところが、お賽銭をあげて手を合わせたとたんに、
空が唸り出し、冷たい風が吹いてきました。
狐の嫁入りか?はたまた、ゲリラ豪雨か?急いで小路の入り口まで戻り、
稲荷小路の入り口にあるうどん屋さんで雨宿りがてら遅めの昼食。
あんまり突然の豪雨に思わず店内から写真を取ってしまうほどです。
お店の軒下に居たとしてもきっとずぶ濡れでしたよ…。
注文したうどんは、川越に古くから伝わる「冷汁」で食べる「うきうきうどん」
と名前のついたうどんです。
美味しくいただき、この後の散歩の力を蓄えましたよ。
雨も止んでカラッと晴れたら、みんな何処に隠れていたのか、
人がわんさと現れましたよ、私といえば人並みと外れて、
お稲荷さんを目指して次なる場所へ。
蔵造りの町並みを少し外れた場所「鴉山(からすやま)稲荷神社」へ、
ここへは、観光客は殆ど来ないとの事です。
この神社は蔵造りの町並みが出来るもっと以前、室町時代から鎮座しているそうで、
どんな狐が居るのかとても楽しみでした。
流石に狛狐にも風格がありましたが、
この子達は室町時代のものではなさそうです。
それにしても、王子や穴守の狐に比べて何だか怖い顔をしていました、
そんな事を思っていたら、またまた雲行きが怪しくなって、
お稲荷さんにお参りする度に豪雨に降られます…。
やはり、狐の嫁入りでしょうか?
慌ててお参りを済ませて、近所のセブンイレブンでまたもや雨宿りです。
向かいのおせんべい屋さんの蔵が豪雨に染みてなんだかとても綺麗でした。
再度、雨が止んで次なるお稲荷さんへ、
こちらは「雪塚稲荷神社」長喜院というお寺の脇にひっそりと佇む社で、
残念ながら狐は居ませんでしたが、ここには「白狐伝説」があるそうです。
要約すると「若者が狐を殺して食べて、祟られて供養した~」という内容、
川越の狐はあんまり人に大事にされていないのかなぁ?
そんな事を考えていると、またもや豪雨が…。
これは狐のいたずらだろうか…。
傘を持って居なかった、と言うよりも2回も豪雨をやり過ごしてまで、
傘を買う気にもなれず、仕方なく駄菓子屋横丁の老舗の飴屋さんで雨宿り、
店内は撮影禁止だったので写真がありませんが、
雨宿りのお礼に珈琲飴を購入して、丁度良いお土産になりました。
駄菓子屋横丁を抜けて、新河岸川にかかる高沢橋の袂、
「六塚稲荷神社」に辿り着いた時には空もうっすらと暗くなって来ていました。
このお稲荷さんは不思議な造りをしていて、
拝殿の真後ろに隠れるようにして狛狐が、そしてその後ろがご神体の祠でしょうか?
ここの狐は神器を加える代わりに子狐をあやしていたので何だか安心しました。
狐ばかりを撮影していますが、この狐の後ろの本殿は川越の有形文化財だそうです、
説明書きによれば本殿の背面には実際に狐が出入りする穴があるとありました、
自然が豊かだった昔には本物の狐が出入りしていたのかなぁ…。
そして、次のお稲荷さんに向かおうとしたところで、
時の鐘が18時の鐘をつき、時刻を教えてくれました、
雨の影響か9月だった割に早めに空が暗くなってしまい、狐めぐりはここまで。
たった3時間の川越散歩でしたが、
時の鐘の合図と共に異空間に迷い込んだような、
そんないたずらを狐にされたような…。
そして、最後にまた雨に降られて、泣く泣く24本骨の番傘風を購入したのでした…。
長編になってしまいましたが、川越にはまだお稲荷さんもある様なので、
また足を運びたいです。
何より小江戸の町並みは時間をさかのぼったみたいでとても楽しかったです。