鳥と盆栽思考 / オロシマ笹 と 鈴木さん
スズメと笹は良く似合う。
私は、梨木香歩さんの書く文章や物語が大好きで、
新作本が出る度に単行本を買い、文庫化されてもまた読んでしまうほど、
次回の作品が待ち遠しいのです…。
そんな梨木さんの作品に「家守綺譚」という本があります、
文庫版の装丁に「神坂雪佳」の「雪中竹」という絵画が使われていますが、
私とスズメの鈴木さんとベランダの植物達とは、
丁度「雪中竹」に描かれている様な距離感を感じているつもりです。
雪上の竹と戯れるスズメとそれをただ見ている人との距離感、
お互いに歩み寄ろうとはせず、相対して各々の時間が流れています。
オロシマ笹は園芸屋さんでポット売りしていたもの、
100円くらいだったのでなんとなく購入したのですが、
盆にこだわりたくなってしまい、
どうしても青い中国風絵柄の入った鉢に植えたかったのです。
植え替え当時はまだ小さくすっきりしていたのですが、
どんどん新しい葉が伸びてきて今では根を張りパンパンです…、
そろそろ植え替えを検討してやりたいところです。
雪中竹の絵の様にスズメの鈴木さんも笹と戯れています。
↓この子は未だ嘴に黄色身が残っていて、
羽の具合や戯れるしぐさからみても、まだあどけない若鳥のようでした。
神坂雪佳の様な素晴らしい絵が描ければよいのですが、
私は筆の代わりにカメラを手に取りました。
笹は丈夫なので放って置いても勝手に育ちます、
鉢が小さいので、毎朝の水くらいは差しますが、
鈴木さん達が遊んでくれる事で一層いきいきしている様(それは笹だけに限りませんが…)にも見えます。
偶に鉢の縁に枯葉が溜まったら取ってやる程度で、
日当たりでも日陰でも良く育つ植物です。
気軽に「盆」と「植物」を楽しむ上ではお勧めのオロシマ笹です。
そして、梨木香歩さんの「家守綺譚」の続編「冬虫夏草」が月末に発売との事、
梨木さんの文章を読んでいると、
毎回「懐かしいけど知らない場所に連れて行ってくれる」そんな気分がします。
単に一人の愛読者でしかありませんが、
この場を借りておすすめさせて頂きます。