鳥とハーモニカ

はなぶさ堂の日々の事。

鳥と読み物 / 野草雑記・野鳥雑記

 柳田国雄氏の野草雑記・野鳥雑記を読みました。

とてもいい本でした。

 鳥のなきなし(人の言葉で鳥の声を読む事)についての色々なお話や、
草花や鳥の名前がどうやって付けられたか等。

大正から昭和にかけて、ご自身の見解をただ発表しているような作品でした。
ポケットに忍ばせておくには勿体無い装丁です。

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柳田国雄と言えば「遠野物語」、民俗学の祖として知られている方ですが、
妖怪のお話では水木しげるさんよりも先輩に当たる方で、
日本野鳥の会の設立発起の一員でもでもあります。
自然や動植物に趣を持つ方には、心地よく得られるものが豊富だと思います。

文章には草花や鳥の名前が、
難しいけど何処かで覚えた事のある様な、素敵な漢字で登場します。

例えば、
「時鳥」(ホトトギス)や、「画眉鳥」(ホオジロ)、「郭公」(カッコウ)など、
草花は、
蒲公英」(たんぽぽ)「土筆」(つくし)など、
そういった活字から放たれる力のせいか、
読後には何となく花鳥風月の一屑を得た気持ちになりました。

一読者でしか在りませんが、この場を借りてお勧めさせていただきます。 

野草雑記・野鳥雑記 (岩波文庫)

野草雑記・野鳥雑記 (岩波文庫)