鳥目線の考察
今年は例年に比べて、「ヒグラシ」の声をよく聞きます。
駅前でも「ミンミンゼミ」「アブラゼミ」は鳴いていますが、ミーンミンミン、ジジジジジ、と暑さを上乗せしてくれる様な鳴き声です。
それはそれで夏らしくて私は好きですが、「ヒグラシ」の声に関しては、カナカナカナカナと、涼しさに加えて哀愁すら感じさせてくれるような気がして大好きなのです。
東京でも、「木」が密集しているところではヒグラシの声が(時間次第で)聞けるので、その声を求めて散歩にでると、一匹の「シオカラトンボ」が近づいてきました。
不思議と逃げないシオカラトンボにかまっているうちに、周りの小さな世界が気になり、鳥目線で写真を撮ってみることにしました。
石畳の脇、スズメがちゅんちゅん飛び跳ねている様なところには、ギン苔でしょうか?ふわふわのカーペット。
木の根っこあたり実際はどこにでもあるただの木なのですが、この目線で切り取ってみると、奥から狐でも出てきそうなワクワクがあります。ここでも苔絨毯はフカフカです。
少し日陰に入ると湿ったゼニゴケも、この目線で見てみるととても綺麗です。ゼニゴケの葉の隙間から濃い緑が見えているのは、違う種類の苔でしょうか?スギゴケ?それとも、ゼニゴケの若葉でしょうか?
目線を高くしてみるとサルスベリの木が。
鳥目線でサルスベリを見ると随分な貫禄を感じます。険しい山を登るかのようです。
サルスベリの場合、「木の幹」と言うよりも「木の肌」と例えたほうが相応しい気がします。年季の入った肌は人のそれでも木の肌でも綺麗に見えるものですね、まるで血管が浮き出ている職人の腕の様にも見えます…。
さて、ここはどんなところでしょう?
一部分だけ切り取ってみると何かの柄や世界地図の様にも見えてきますが…。
ムクドリが歩き回っていそうな広場の地面でした。人に踏みならされながらも綺麗な緑が生きていました。
何だか苔考察になってしまいましたが…。
小さなものが密集した世界は、人の目には一色に見えてしまう事があります、実はその中には沢山の色が密集していて、鳥や小さな生き物達は、こうした小さな世界の中で人よりも沢山のものを見ながら生きている気がしました。
そして、ヒグラシ鳴く頃に帰途に着き、途中の石神井公園にて、春には赤ちゃんだった「バン」を見かけましたよ。
見ているうちに、遠くから兄弟達も集まってきました、兄弟揃って大きく育っていました、みんな元気で何よりです。