鳥とハーモニカ

はなぶさ堂の日々の事。

鳥居と油揚げ / 東京上空、嫁入り日和。

夏に向かっている東京上空、活発な雲が活動をしています。
晴れているのに、雷や突然の雨。
こんな日には「狐の嫁入り」の事を思い出す人も多いと思います。

日中、「狐の嫁入りだ、なんか清清しい」と発言したら、
狐の嫁入り???」と、“はてな”の付いたの顔をする友人。
それを知るタイミングは何歳でも良いと思います、
だけど、どんな世代であろうと子供や孫の代には引き継いであげたい…。

さて、「嫁入り日和」は「狐日和」です。
何処にでもある小さな祠、赤い鳥居の先は四畳半程の小さな敷地。

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西東京地方は数十年前まで農家や畑が多く残っていたせいか、
気にし始めると「庚申塚」や「お地蔵さん」と同じような間隔で、
小さなお稲荷さんも何処にでも祀られているように思います。

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細工が凝っている所も小さな祠の見所ですが、
こういった装飾にも“可愛らしさ”が見え隠れします。

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小さな狐は石造り、神棚の狐と見通う程のサイズですが、
経年の雨風に打たれて居るせいか、少し肌が柔らかい印象でした。

そんなに古いものには見えませんけど、
祠を守っていた何年・何十年かの経緯(いきさつ)を訴えかけてきます。
しっかりと鍵を手に抱えて小さいながら立派な意思を感じます。

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右に座る子は、珠を抱えて居ますが、
何だか可愛らしくて「ボール遊び」をしている様にも見えてしまします…。


少し歩いた所にまた別のお稲荷さん。

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こちらも石造りですが、立派なお狐さん。
この顔、東京の西側では良く見かけるお顔です。
秩父地方には犬神信仰がありますが、近いからかな?どこか犬っぽい…。
豊川稲荷東京別院(赤坂)にも同じ顔の狐さんが居たような気がします、

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こちらも同じように、左の子は「鍵」右の子は「珠」を持っています。

場所によっては「鍵」「珠」「巻物」他、抱えていたり、口に銜えていたり、
出会う度に奥が深い「狐散歩」。

“狐”や“赤い鳥居”を怖がる方も居ますけど、元は豊穣の神様の眷属の動物ですから、
私はむしろ守ってくれるものと思って接しています。
どうしたって動物は可愛いのです。
神仏に関わる動物には「輪廻」だとか「生まれ変わり」等も想像します、
どちらにしても“人の傍にいて欲しい”そういった想いが込められた動物なのだと思います。

狐の嫁入り” 一年に数回の空の気まぐれかも知れませんが、
狐の方から人に歩み寄ってくる限られた時間なのかも知れませんね。