鳥とハーモニカ

はなぶさ堂の日々の事。

鳥と盆栽思考 / ピラカンサ と ヒヨドリ

ピラカンサ(和名は「さんざし」)の盆栽とは3年ほどの付き合いです。
私でも毎年花を咲かせる事が出来るので、
秋の楽しみ「実もの」の中でも比較的育てやすい植物だと思います。

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小さな鉢に一本の“小さくても力強い木”が生えている感じがとても好きです。
最初はピラカンサをベランダに置けば、赤い実を狙って野鳥が遊びに来てくれる、
そう信じて育て始めたのです。

ねらい通り秋の実りの時期にはヒヨドリが遊びに来てくれるようになりましたが、
陽も短くなった秋の早朝に、実の偵察に来ては、
食べごろを待って去ってしまうので、あんまり出会う機会はありません。
せいぜい「イーヨーイーヨー」と朝から大声で起こされて、
「を!ヒヨ来たな?」と寝ぼけた頭でポカンとする程度ですが、
花の咲く春頃からヒヨに実を食べられてしまう時期までずっと楽しい盆栽なのです。

ちなみに野生のピラカンサ(さんざし)はこんな感じです↓(10月半ば)。
石神井公園のめがね橋のたもとで毎年大量の実を付けてまいす。
ヒヨドリだけでなくオナガ等もこの赤い実に集まってきますから、
こんなに沢山です!。実る方も大変ですねぇ…。

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時間をさかのぼって5月頃の写真↓、小さなつぼみがつきました。
しかし今年はつぼみが少なく下の写真程でした…。
つぼみが付く時はどんな植物でもかわいいものです、
人や動物と同じ様に、若い芽や若葉は「無垢」という言葉が似あいますね。

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つぼみの後は勿論開花です。

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これがピラカンサ(サンザシ)の花です。
この枝の先っちょだけでしたが、小ぶりながら全てのつぼみが開きましたよ。

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7月頃には暑さで花びらはクタクタ、
だけど、“ピラカンサ”花が散った後は、実になる部分が残ります。
咲いた花の後に残った花の付け根の部分(確か小学校の理科で「ガク」と学んだ様な…)が、
そのまま緑色の小さな実として残りの夏を越します、
花が散ってからその実が赤くなるまでには数ヶ月掛かります。
「ガク」部分の実は小さく窄んでいたりするので、
今にも落ちてしまいそうにも見えます、
台風や雨の影響で、気を付けていないと緑色のまま落とされてしまいますし、
たまにスズメの鈴木さんも悪戯に実を落としたりします…。


今年の東京の秋は寒暖差がとても激しいせいか、
紅葉が一番早いと言われる「ハゼの木の盆栽」でさえ未だ青々としていますが、
ピラカンサの残された実は10月に入って急に黄色く変色しました。

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今年残った実はたったの4つになってしまいましたが、↑は10月始めの写真です。
茎から養分を吸い上げてぱんぱんに膨らもうと頑張っています。
そして↓が今週の写真です。

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なんとも貧弱な「実もの盆栽」になってしまいましたが、
もう少しで真っ赤に実りそうです!
ちなみに園芸屋さん等で売られているピラカンサには、
たっぷり実が付いていますから今が買い時ですよ。

先日、また早朝にヒヨドリが様子を伺いに飛来しましたが、
「まだ食べ頃ではない」と踏んだか、そのまま飛んでいってしまいました…。
ヒヨを呼ぶ為に育てているピラカンサですが、
今年はヒヨの大きなお口で一気にペロリと片付けられてしまいそうです…。

赤くなった実をついばむヒヨドリを写真に納められれば良いのですが…。
もう少しピラカンサの実も楽しみたいところです。