鳥と駅
日本には毎年春に「ツバメ」が渡って来ます。
昔は都心でもよく商店街や駅の軒下にツバメが巣を作るのを見かけたものですが、最近はあまり出会う機会がなくなった様に感じます。
寺社回りの途中、西武池袋線の「東久留米」という駅の通路で鳥の声が聞こえたので天井を見上げてみると、そこにはツバメが迷い込んで外に出られなくなっていました…。
駅は人と共に進化してどんどん新しい建物に変わり、線路や踏み切り、通勤や道路の状況までが便利に変わって行きます。それは決して悪いことではありませんが、全部人間の都合で進化してしまいます。
野生の動物も、人の文明の進化に臨機応変に適応してくるところがあると思いますが、このツバメがいたのは長いエスカレーターを上りきった踊り場で、窓が開く気配がありません、おそらく人と同じ階下の入り口を通って上ってきたのではないでしょうか?
鳥は上へ上へ行きたがる習性があるので、踊り場の天井を何度もぐるぐると回ってい、何だか出口を探している様子でした…。
助けようにも助ける術がなく、見守ることしか出来ませんでしたが、ふと、この駅で昔(木造駅舎の時代に)ツバメが巣作りに来ていた事を思い出しました。
その時は木造一階建ての軒下でしたが、落ちそうになった巣の下に木の板を貼って補強してあげていたり、糞が落ちてこないように(おそらく駅員さんが)工夫をしている光景を見たこともあります。
私としては未だ、このツバメのその後が心配ですが、優しい駅員さんが見つけてくれる事に期待してその場を去る事しか出来ませんでした…。
こういう事から、都心でツバメの巣作りを見かける機会が減るのだなぁと思いました…。
或いは、ツバメが他へ行かずに、近代化した駅の建物でも巣作りの場所を上手く見つけて、人との共存の道を選んでくれたら良いです。