鳥とハーモニカ

はなぶさ堂の日々の事。

鳥とひなた童子

燕・雀・飴 は、竹カゴアパートの自室で「ひなたぼっこ」をします、お天道様の都合次第で、三階建ての竹カゴアパートの立地は日当たりに移動します。

水浴びをしたり、止り木にお腹をくっつけてぬくぬくしたり、たまに吹く風を怖がったりしながら、見えないけれども暖かい空気に向かって”ぴーぴーきゃっきゃっ”と戯れています。紫外線を受ける事でビタミンDが作られて骨が強くなるそうです、鳥も人間も同じですね。

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一階はエントランス、主に食料保管庫です。二階の住人は燕と雀(十姉妹)、三階には飴(文鳥)が住んでいます。大家としては毎日玄関周りの掃除が大変です…。

 

ところで、ひなたぼっこの「ぼっこ」てなんでしょうか?
「ごっこ遊び」の意味かと思っていましたが、よく考えてみたら「おにぼっこ」とか「電車ぼっこ」なんて言いません。

同じ疑問を持った人はやはりたくさんいるようで、ネットの世界ではどの説を信じて良いのやら、訳が解らなくなっています。

「ぼっこ」自体は様々な地方の方言で「棒切れ」とか「ぼろ屑」など、使われ方もまちまちですが、この場合「ひなた」に対しての使い方とは違います、有力なのは「ひなた誇り(ほこり)する」から変化して「ひなたぼっこ」に変わったという説ですが、私が不思議に思ったのは、岩手県での「ぼっこ」という言葉の使われ方です。

 

宮沢賢治の「ざしき童子のはなし」では「童子(わらし)」を「童子(ぼっこ)」と読ませています、実際に岩手県の内陸部では「ざしきぼっこ」と呼ばれていたそうです。

となると、岩手の内陸部では「ひなたぼっこ」はなんと言うのだろう?

茨城県辺りでは「ぬくとぼっこ」(ぬくい所ぼっこ?でしょうか?)という言い方もあるそうですが、やはりそこにも「ぼっこ」は付いてます。

調べれば調べるほど謎は深まるのですが、岩手県遠野地方には「倉ぼっこ」という妖怪のお話もあるそうで、「こどもの姿をしているが姿は現さず、気配でその存在がわかるが、別段悪さはしない」(日本妖怪大全:著・水木しげる より)なのだそうです。

私の持っていた水木しげるの日本妖怪大全では、まるでムーミンのミーを思わすような可愛らしいお団子頭に、毛むくじゃらな容姿が描かれていていましたよ。

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ひなた童子(ぼっこ)という妖怪は居ないようですが、もしも、ひなた童子が倉ぼっこのように、古の昔から姿を隠しているとしたら、鳥や或いは人間の子供達にはそれが見えているかも知れませんね。

いつの時代にも「ひなたぼっこ」は愛おしいものです。